2006年09月28日

球場のビールはなぜ800円でも売れるのか − 馬渡 晃 − vol.58

■一言で!
  タイトルに惹かれて読んだのですが、会社経営の本でした。
  会社を成長させるために、社長がすべきことが、わかりやすく書いて
 ある。

  社長じゃない人(僕も)は、自分を自分株式会社の社長だと思って、
 読んでみると、結構な〜るほど!と思うことも多いかも。




■僕の感心
  いいね この考え!と思ったのは、

   「成長とは「バランスを崩す」こと」というもの

  僕もよく言っているのですが、カッチリと安定した状態のように思える
 時は、実はあんまり安定していなくて、ちょっとゆれている状態くらいの
 時のほうが、安定しているし、次へのステップアップがしやすいと思っている。

  この本で言う、「バランスを崩す」というのは、例えば一人でビジネスを
 やっていて、順調に利益が出ていて、小さなながらも安定している。そこに、
 従業員を一人雇う。雇ったからといって、すぐに売り上げが倍になるわけでは
 ないので、ここでビジネスのバランスが崩れる。そして、このバランスを
 安定させるために、売り上げを伸ばす努力をし、成長するというわけ。

  いいねぇ 自らちょっとバランスを崩してみるという冒険。

  なんのバランスから崩してみるか、ちょっと考えてみよっと


 …★おまけ しかし800円のビールはちょっと高い

   以前東京ドームに行ったとき、800円ビールをたくさん飲みました(^^;

   僕は、サッポロビールが好きなのですが、売っている子が少なくて、
  探すのがなかなか大変。アサヒやキリンが多かったような・・・

   それでも、5杯は飲んだかな? 
   財布から1000円札がどんどん消えていく・・・



■こんな人にお勧めです!

 ・会社を成長させたい人
 ・800円のビールをつい買ってしまう人
 ・ちょっとゆらいでるかなぁと思っている人

2006年09月27日

戦う動物園 − 小菅 正夫/岩野 俊郎 − vol.57

■一言で!
  「旭山動物園」と「到津の森公園」の両園長が語る動物園にまつわる
 動物と人の物語り。

  どっちの動物園も閉園の危機を乗り越えて、地域に愛される動物園として
 復活したのは、2人の園長が動物園の使命を忘れずに、そしてチャンスを
 ものにするために、積極的に行動していった結果だと思う。

  情熱のある仕事っていいですねー



戦う動物園−旭山動物園と到津の森公園の物語
小菅 正夫 岩野 俊郎 島 泰三
中央公論新社

■僕の感心
  何回読んでも、その度になにか力をもらえる旭山動物園関連の本。
  今までこの書評でも何度か取り上げていますので、よかったら。
  「旭山動物園」革命  http://book.b-up.net/article/873423.html
  北の動物園できいた12のお話 http://book.b-up.net/article/1177183.html

  「到津の森公園」については、本書で初めて知ったのですが、一度閉園した
 後に、市民の協力で復活したという動物園です。
  寄付やサポータ、友の会といったカタチで、みんなで動物園を応援し、
 市民のボランティア運動により動物園の運営がされている。
  北九州の人は、思いが熱いです。

  どちらも動物園馬鹿の園長が、熱い思い入れで動物園に打ち込んできた姿が、
 「戦う動物園」というタイトルにあらわれている。
 
  また行きたいところが、一つ増えた。


 …★おまけ ハードよりもソフトが大切

   旭山動物園のペンギン館のアクリル円筒通路は、放っておくと、
  藻がついてしまうらしい。
   それを工夫や職員の熱意(掃除)で、藻の発生を防いでいる。

   ハード(展示の仕方)だけではやっぱりだめで、ソフトが優れているから、
  見ていて楽しい動物園になっているんですね。

   たしかに、旭山の飼育係さんの説明は、人柄がでていて面白かった。



■こんな人にお勧めです!

 ・動物と動物園好きな人
 ・戦う○○を実戦中の人
 ・2つの動物園に行ってみたい人

2006年09月26日

きみのいる生活 − 大竹 昭子 − vol.56

■一言で!
  スナネズミと一緒に暮らす大竹さんがつづる、観察記風な物語り。

  1匹1匹がとても個性的なスナネズミの行動を、愛情深いユーモラスな
 書き方で紹介している。
  スナネズミってこんなにかわいいんだー

  この本を読むと絶対スナネズミ好きになりますので、覚悟して読んで
 くださいね。



きみのいる生活
きみのいる生活
posted with amazlet on 06.09.26
大竹 昭子
文藝春秋 (2006/06)

■僕の感心
  3年くらいの寿命しかもたないスナネズミ。
  でも彼ら(彼女も)は、とても一生懸命に生きているし、人間と同じで
 1匹ずつ個性がまったく違う。

  その行動がとーっても面白い!

  チーズを食べる子、食べない子。
  食べ物を見つけると真っ先に口にくわえて、角に走って行き、みんなに
 背中を向けて食べ物を独り占めする子。
  鏡を見てうっとりする子。
  マッサージをしてもらうとだらしなーく気持ちよさそうして、やめると、
 「もう終わり?」って顔をする子。

  いやー かわいい かわいい
  思わずスナネズミを飼いたくなっちゃいました。

  始めに1匹飼い、死んじゃった後にもう1匹・・・
  最後には、10匹以上のスナネズミと暮らした大竹さんだからこそ、
 書けるスナネズミ記(?)

  ネズミ好きの人はもちろん、嫌いな人も楽しめます。


 …★おまけ ハムスターなら。。。

   子どもの時に流行っていたので、僕もハムスターを飼っていました。

   よくカゴから逃げ出して、行方不明になっていて、得意な逃げ場所が
  お風呂場のボイラーの中。

   そこにいるのはわかっているんだけど、出てこないので、その日は、
  お風呂が使えず、隣の家にお風呂を借りに行ったことが何度かあります。

   田舎だったからのんびりしてたんだなぁ



■こんな人にお勧めです!

 ・スナネズミのかわいさに癒されたい人
 ・なんとなくネズミはあんまり好きじゃないと思っている人
 ・もちろん、ネズミ好きな人

2006年09月22日

「風が吹けば桶屋が儲かる」のは0.8%!? − 丸山 健夫 − vol.55

■一言で!
  サブタイトルが、「身近なケースで学ぶ確率・統計」とあるように、
 「鉛筆を転がして試験で平均点をとれるか?」、「平均点のからくり」などを例に、
 確率と統計について、わかりやすく教えてくれる。

  理数系じゃなくても、理解可能な書き方だし、取り上げる題材も、
 楽しいので、読み物としても面白い。




■僕の感心
  年賀ハガキの「お年玉切手シート」は、2006年から当たりにくくなった
 というのは、ほんとうなのか??

  本当なんです!!
  切手シートの当たりは、下2桁があっているかどうかで決まりますが、
  実は、2005年までは、当たりが3つあったのが、2006年からは、
 2つになっていた。

  これを確率的に考えてみると、100枚の年賀状が届いて、当たらない確率は、
   
   2005年は、当たりが3つだから、当たらない確率は97/100
          100枚届いたから、97/100を100回かけて、約4.8%

   2006年は、当たりが2つだから、当たらない確率は98/100
          同じように、98/100を100回かけて、約13.3%

  なーんと、当たらない確率が、2.8倍にもなっている。

  この影響を一番受けるは、40枚くらい年賀状を受け取る人。

  不運の確率は、当たり3つの時は約29.6%、2つになると約44.6%に!!
  年賀状が40枚くらいという人は、多いと思うので、その人たちは、
 当たらなくても普通。不運だと嘆く必要はないということですね。
  
  ちょっと安心??


 …★おまけ おみくじで凶を引く確率?

   正月に初詣に行くと、必ずおみくじを引くことにしている。
   
   さて、今年の運勢はどうかな? がーん 「 凶 」・・・しくしく
   僕は、この5年間で2回が凶。 後は、大吉・小吉・末吉が各1回。

   家族4人で引いて、凶が出たのは僕だけなので、確率的には2/20で10%。
   僕一人に限ってみると、2/5なので、40%。
   家族だけでみると、0/15で、0%。

   凶をひく確率ってどのくらいなんでしょう?
   とりあえず、うちの不幸は全部ぼくにかかってくるということですね(;_;



■こんな人にお勧めです!

 ・ナンバーズに人生をかけてる人
 ・カレの浮気を証明したい人
 ・確率よりも気合だ!と思ってる人

2006年09月21日

ビッグツリー − 佐々木 常夫 − vol.54

■一言で!
  うつ病の奥さんと自閉症の子供という難しい家庭環境にありながら、
 ひたすら前向きに「家族との絆」と「仕事」の両立をしていった
 東レ経営研究所の社長にまでなった佐々木さんの実話奮闘記。

  家庭のことを一番に考えながらも、仕事での向上心も捨てない佐々木さんの
 生き方には、本を読んだだけでなにか力をもらえそうな気がする。




■僕の感心
  奥さんのこと、子供のこと、佐々木さんの人生は、本当に大変な生活だ。
 そんな中でも、「いつかは必ず良い日が来る」と信じて、ユーモアーの心を
 持って何にでも取り組んでいる。

  この本の中で、印象に残った言葉は、

   「ワークライフバランス −仕事と家庭」

  その中で佐々木さんは、「家庭の悩みを隠さないでよい社会に」と言います。
  まったくそのとおりですね。
  事情を知れば、僕たちでも協力してあげることもできるかもしれない。

  みんなが、何がしかのハンディや悩みを持ちながら生きているという
 前提に立って、お互いを理解しながら社会生活を送れるような世の中に
 したいものです。

  佐々木さんのように全てを受け入れて、強く・やさしく・明るく生きることは
 なかなかむずかしいと思うけど、それをサポートできるような社会を僕たちが、
 つくっていけたらいいですね
  
  今日は、ちょっと勇気をもらえた。


 …★おまけ 心が風邪をひいたら

   うつ病は、心の風邪と言わますよね。

   僕は専門家ではないので、違うかもしれませんが、
  心の風邪を引いた人が回りにいたら、どうしたら良いか知っている人は、 
  少ないんじゃないでしょうか?

   本当の風邪なら、お医者さんに行った方がいいよとか、早く帰って
  寝たほうがいいよなどと、聞かれてもいないのにアドバイスをする。

   心の風邪の時も、どうしたらいいのかをもっと知る必要があるようです。



■こんな人にお勧めです!

 ・佐々木さんから勇気をもらいたい人
 ・ちょっと元気が落ちている人
 ・決してあきらめない!が口癖の人

2006年09月15日

海の環境100の危機 − 東京大学海洋研究所 − vol.53

■一言で!
  自然浄化作用の限界を超えてしまったかのような現代。
  酸素と栄養を運び、老廃物を浄化してくれる海は、地球環境を
 維持するのに大きな役割を果たしている。

  そんな海についての研究から、誰にでもわかりやすいトピックを
 100項目あげて、解説してくれる。

  イラストもわかりやすいので、子供といっしょに読むのもおすすめ。



海の環境100の危機
海の環境100の危機
posted with amazlet on 06.09.15
東京大学海洋研究所DOBIS編集委員会
東京書籍 (2006/07)

■僕の感心
    ショッキングだったのは、海に捨てられたゴミ。

  1991年の調査では、日本海溝の水深6278mのところに、
 「マネキンの首」が、落ちていたそうです。
  発見した人は、さぞ驚いたことでしょう。

  1年後に再調査した時には、1cmほど埋まっていて、イソギンチャクが
 付着していました。5年後に調査した時には、完全に堆積物の下に
 埋もれていて、深海のため、海流の影響などもほとんど受けないので、
 ゴミはいつまでもそこにとどまり、もう取り除くこともできません。

  他にも、2002年のクリーンアップキャンペーンでは、
 日本で2390本、世界75カ国で39860本の使い捨てライターが回収されています。
  
  僕たちにできることは、海にゴミを捨てないことと、ゴミを拾うことですね。

  ゴミ以外のことについても、海の環境危機について、考えるきっかけに
 なる本です。


 …★おまけ ゴミを3つ拾おう!

   先週、6家族でキャンプに行った時のこと。

   テントを撤収し、片付けも終わって、さぁ帰ろうかと思っていたところ、
  一人のお母さんが子供達にむかって、「ゴミを一人3つ拾って、
  来た時よりもきれいにして帰ろう」と言っていた。

   もちろん、子供は必死で3つ探して拾ってました。(^^

   いいねぇ こういうわかりやすい言い方をされると、子供ならずとも
  大人も、ちゃんと拾っちゃいますね。



■こんな人にお勧めです!

 ・海の環境危機について知りたい人
 ・海で遊ぶのが好きな人
 ・ゲイコツナメクジウオに興味がある人

2006年09月14日

ほった。 − 坂本 達 − vol.52

■一言で!
  4年3ヶ月も有給休暇をもらって、自転車で世界一周をしちゃった
 坂本さんの「ギニア井戸掘りプロジェクト」への挑戦本。

  世界一周の時にお世話になった人たちに恩返しがしたいと考え、
 始めた挑戦だけど、夢をかなえるために一生懸命な姿に、感動しました。

  だれでも夢はきっとかなう! そう信じられます




■僕の感心
  夢をかなえるために必要な3つのこと。

   「挨拶をしよう」 「感謝をしよう」 「個性を発揮しよう」

  この3つが実行できたら、夢が叶うと坂本さんは言います。

  あと、この3つに加えるとしたら、「あきらめない!」ということだと思う。
  2003年7月にギニアに行ってから、井戸から水が出るまでに、
 かかった時間は2年間。その間、恩返しがしたいという一心であきらめずに
 やりとげたからこそ、井戸が完成したのだとおもう。

  自分にできることを実践する。
  できないことをしようとするのではなく、自分の役割を知って精一杯
 悔いのない毎日を送るという、達さんの言葉に、自分もなにかできることを
 やってみたいという気持ちにさせられますね。


 …★おまけ ミキハウスはどんな会社?

   達さんは、ミキハウスの会社員。
   社員に4年も有給で、夢にチャレンジさせるミキハウスって、
  どんな会社なんでしょう?
   
   「達の夢を応援するのが、僕らの使命」と言い切ってくれた
  上司や、仕事の負担が増えるのも気にしないで応援する後輩。

   とても素敵な、不思議な会社です。



■こんな人にお勧めです!

 ・ちょっと頑張ってみたい人
 ・自分ができることをしたい人
 ・ミキハウスが好きな人

2006年09月13日

父の仕事を継ぐ 自分の味をつくる − 陳 建一 − vol.51

■一言で!
  料理の鉄人 陳 建一さんの「仕事」への思いを熱く語った本。

  テレビによく見る陳さんのイメージとは全然違う「中華の神様」と
 呼ばれる父を持った料理人としての苦労、味や仕事へのこだわりが
 感じられる。



父の仕事を継ぐ 自分の味をつくる
陳 建一
岩波書店 (2006/07)

■僕の感心
  「僕は、壁にぶつかったとき、結局は気持ちの明るさで乗り越えて
 きた。」という陳さんの言葉が印象的。

  あまり真面目すぎない「まぁ、いいか」という性格だから、
 やってこれたと、陳さんは言いますが、お店や出張先で美味しい料理を
 お客さんに食べてほしいと思う気持ちはすごいものがあります。

  料理を手伝ってくれる人には、「豆腐、ゆでといて」なんてことは、
 絶対言わず、まず実際にゆでて見せ、「これだからな この状態だぞ」と
 なぜそのゆで加減でなければいけないかを、懇々と話す。
  五感をつかって料理しているので、全てが緻密な作業。

  あわせて、お客さんの食べるスピードやお店に来た理由などを、
 ホール係(サービスマンという)から聞き、それをもとに料理を出す
 タイミングなどを調整することにより、最高の状態の料理を、お客さんに
 提供してくれる。

  これは、料理の世界だけじゃくて、仕事をしている全ての人に
 参考になる姿勢ですね。
  

 …★おまけ ゴルフ狂?

   陳さんの趣味はゴルフ。それも並みじゃない。

   夏休み5泊7日でスペインに行って、毎日2ランドずつ3日間、
  4日目にロンドンに移動して、またラウンド。そして成田に着いたのが、
  朝9時だったので、そのまま成田のゴルフ場で1ラウンド。

   海外から朝着の飛行機で帰ってきて、そのままラウンドする人が
  いることを、はじめて知りました。

   よし! 僕も今度やってみよう



■こんな人にお勧めです!

 ・「四川飯店」の料理を食べに行く予定の人
 ・仕事に真面目に取り組んでいる人
 ・朝帰りでゴルフが普通にできる人

2006年09月12日

南極がこわれる − 藤原 幸一 − vol.50

■一言で!
  人間が現れたことで、南極が壊れはじめた。
  地球温暖化にせよ、ゴミ問題にせよ、人間がいなければ起こらなかったこと。
  
  僕らが、ちょっと危機感をもって、便利さや快適さといった欲求を少し
 我慢することができたら、南極を救えるかもしれないね。

  さぁ 南極から、はじめよう!


南極がこわれる
南極がこわれる
posted with amazlet on 06.09.12
藤原 幸一
ポプラ社 (2006/07)

■僕の感心
   南極が壊れる原因は、地球温暖化による永久凍土の融解と南極探検隊が
  残していった大量のゴミ。

   ドラム缶や鉄くずといったゴミが、放置されている。
   そのゴミの山を越えて、繁殖地へ向かうペンギンは、ワイヤーで傷つき
  白いお腹が赤く染まっている。
   プラスチックの輪が、くちばしにひっかかり、取れなくなったペンギン。
   
   これらは全て、人間が南極に来なかったら起こらなかったこと。
   
   南極を調べることは、地球の歴史を解明するために大切なことなのは、
  よくわかるけど、雪と氷のなかで暮らしていた生き物たちの幸せな暮らしを
  奪う権利は、人間にはない。

   藤原さんが言うように、南極とペンギンを守るために
  僕らにもきっと何かができるはず。

   南極から、始めよう!

 
 …★おまけ 藤原さんのHPを見て

   http://www.natures-planet.com/ の「長期環境プロジェクト」を
  見てください

   南極にゴミがあることは、他の本などでも知っていたけど、
  こんなにたくさんのゴミがあるとは、思わなかった。

   僕らが今すぐにできることはなんだろう。



■こんな人にお勧めです!

 ・南極に興味ある人
 ・ペンギンが好きな人
 ・地球のためになにかしなくちゃと思っている人

2006年09月11日

ぼく、ドラえもんでした。 − 大山 のぶ代 − vol.49

■一言で!
  26年間聞きなれたドラえもんの声が、大山さんから変わってから、
 もう1年半。僕は、新しい声には、まだちょっと不思議感がある。
  
  そんな大山さんの自伝的ドラえもん思い出話。

  大山さんの人間味あふれるエピソードもたくさんあって、読んでいると
 ちょっとうるるとする場面も多い。(電車では読まないほうがいいかも)



■僕の感心
   大人になると、ドラえもんのことを話題にすることは、もちろんあまり
  なくて、たまにあっても、秘密の道具のことが多い。

   欲しい道具は?なんて聞かれると、「どこでもドア」や「タイムマシン」、
  「ほんやくコンニャク」なんて答えたりする。

   でも、この本を読んで、改めて、あぁそうだなぁ〜と思ったのは、
  ドラえもんの言葉遣い。
   ドラえもんは、実はとてもよい言葉遣いをしている。

   近所の人に会えば、「こんにちは」と挨拶し、目上の人には、
  「はいそうです」「いいえ違います」とちゃんと敬語を使います。
   これは、大山さんが「子守り用」ネコ型ロボットのドラえもんは、
  悪い言葉はインプットされていないはずと思ったからだそうです。

   子どもが乱暴な言葉を使っていたら、ドラえもんみたいに話しなさいと
  教えたら、すこしはいい言葉遣いになるかもね。
  
 
 …★おまけ でもやっぱり、道具のはなし

   僕の欲しい道具の一番は、「どこでもドア」です。
   
   いろんな国に行ってみたいというものあるけれど、一番の理由は、
  通勤に使いたい(^^; 
   
   僕は片道1時間半の通勤の間、ほとんど本を読んでいる。
   それはそれで、有意義なんだけど、1日の8分の1にあたる3時間を
  通勤じゃないことに使えたら、もっといろんなこともできそう。



■こんな人にお勧めです!

 ・ドラえもんと大山さんが好きな人
 ・26年前小学生だった人
 ・つい、ぼくドラえもんと大山さん口調で言ってしまう人

2006年09月08日

猫島ハウスの騒動 − 若竹 七海 − vol.48

■一言で!
  猫ミスである。猫ミスとは、もちろん猫が活躍するミステリーのこと。

  ユーモアたっぷりのミステリーは、若竹さんファンならずとも、
 安心して楽しめるお話しに仕上がっている。

  出てくる猫の名前は、8割が小説や映画に出てくる名前からとっている
 そうなので、猫バカの人は出典を考えながら読むのも吉。



猫島ハウスの騒動
猫島ハウスの騒動
posted with amazlet on 06.09.08
若竹 七海
光文社 (2006/07/21)

■僕の感心
  舞台は、30人ほどの人間と百匹を超える猫が暮らす通称・猫島。

  猫好きの僕としては、こんな猫の楽園があったら、ぜひ行ってみたいと
 思いますが、実際にはこんな素敵な島はありません。残念です。

  ミステリーなので、内容については、もちろん書きませんが、
 猫+ミステリーというと、ちょっとドロドロした系と誤解されるかも
 してませんが、真夏の猫島はそんなことはありません。

  ほのぼのとたくさんの猫の活躍を楽しみましょう
  

 …★おまけ 若竹さんを読むようになったきっかけ

   若竹さんはミステリー作家ですが、僕が若竹さんを読むきっかけに
  なったのは、「マレー半島すちゃらか紀行」という旅本。

   若竹さんら個性的な女性3人が、マレー半島を怒涛のごとく旅し、
  さまざまなネコブル(トラブルの小さいのね)にあいつつ、その度に
  貴人が現れ、助けてくれるという、実に変な旅行記(?)。

   でも、これがめちゃめちゃ面白い。



■こんな人にお勧めです!

 ・もちろん猫好きの人
 ・明るい日の光の中でミステリーを読むのが好きな人
 ・自称 猫バカの人

2006年09月07日

給食の味はなぜ懐かしいのか? − 山下 柚実 − vol.47

■一言で!
  給食と聞くと、たいていの人はいくつかの思い出が思いだされて、
 ああ懐かしい・・と思う。

  この「懐かしさ」とは、いったいなんなのか?

  味覚、嗅覚、触覚、聴覚、視覚という感覚をつかった直接的な
 体験が懐かしいと思わせる大元のようです。




■僕の感心
  この本は、感覚器官のサイエンス本。

   味覚:給食の味はなぜ懐かしいのか?
   嗅覚:ニオイでつながる恋人たち
   触覚:「痛いの痛いの飛んでいけ!」の正体
   聴覚:掃除機から「快音」が聞こえる?
   視覚:「脳」が見ていた

  どれも気になる感覚ですが、僕が一番気になるのは、聴覚。
  聴覚は、比較的簡単にその脳力を伸ばすことができる。
   
  やり方は簡単。5分間だまって、音を聴くことに集中します。
  どんな音が聞こえますか?

  エアコンの音、パソコンの音、車の音、自動販売機の音・・・
 など、普段はあまり聴こえなかった音がたくさんあることに
 気がつくはず。

  カクテルパーティ効果なんて呼ばれるように、僕たちは
 知らない内に「聴きたい音」だけを選択して聴いている。

  自分の周りの世界にどんな音があるか、ちょっと聴いてみよう。

 
 …★おまけ 静岡科学館「る・く・る」に行ってみたい

   この本の中で紹介されている「る・く・る」は、身体と五感を
  通して、ものごとを理解していく科学館
   http://www.rukuru.jp/

   「おどろきスライダー」は、平坦なところを動くのに、ジェット
  コースターに乗っているような感覚が味わえる。
   「さっかくスクリーン」は、浮遊感覚と突然視界から人が消えたり
  するそうです。

   いいね! ぜひ近いうちに行ってみよう。



■こんな人にお勧めです!

 ・給食の懐かしさの秘密を知りたい人
 ・感じることの不思議に挑戦してみたい人
 ・五感をめいっぱい楽しみたい人

2006年09月06日

トンデモWeb業界 Webサイトはこうして作られる − 小田原 貴樹 − vol.46

■一言で!
  IT業界/Web業界は、ヒルズ族なんて言葉もあるように、ちょっと派手で
 華やかなイメージを持っている人も多いかもしれない。
  
  僕もIT業界の一員として、そんなことはない!と大きな声で言いたい。

  小田原さんの実体験(?)に基づく業界裏話には、思わずニヤリです。



トンデモWeb業界 Webサイトはこうして作られる
小田原 貴樹
ソフトバンククリエイティブ (2006/06/23)

■僕の感心
  Webサイトを作るうえで、大切なデザイン。
  デザインは誰が作るかというと、もちろんデザイナーさんが作ります。
  しかし、これが大変なのである。
   
  デザイナーさんは、お客様から要望などをうかがって、それをデザインし、
 お客様に確認いただき、OKがでれば、はれて完成となります。
  ところが、「ああいいデザインですね これでいきましょう」なんて、
 いわれることは、ほとんどなくて、大体が「もうちょっと・・・」なんて
 言われることが多い。

  この「もうちょっと・・」が、くせもの。言っているお客様もどう直して
 欲しいのか具体的にわかってないことが多い。
  そこで、こんな風に注文をつけられる

   「何て言うか、「人気(ひとけ)のあるクールさ」?みたいな」
   「ここの青は、「沖縄の朝の海」をイメージして」
   「パステル系の蛍光色で、「虹がそこにあるかのような」デザインに」

  これは、実話だそう。 でもこんな注文をもらったら、楽しいかも??
  (僕はデザイナーじゃないから・・・)

  他にもこんなエピソードが満載。 こうやってWebサイトはつくられる。
  
 
 …★おまけ WEBは、なんとなく期待感が大きいような

   Webを立ち上げると、みんなが自分のサイトを見てくれて、商品を
  ばんばん買ってくれるようになる的な期待感が、ITには強いような気がする。
  
   もちろん、そんなことはなくて、Webでもブログでもメルマガでも、
  内容がしっかりしていて面白くないと、全然だめです。

   僕の書評も、ばんばん見に来てくれる人が増えるはずが・・・(^^;

                          がんばります!



■こんな人にお勧めです!

 ・IT業界で働きたい人
 ・Webサイトを注文する側の人
 ・自分の業界にも不思議なことが多いぞと思っている人

2006年09月05日

ヤフー・ジャパンはなぜトップを走り続けるのか − 吉村 克己 − vol.45

■一言で!
  No1サイト ヤフー・ジャパンの創業からの10年を、井上社長や40名を
 超える関係者へのインビューでつづった本書。
  
  なぜNo1になれたのか、そしてなぜNo1のままなのかという秘密は、
 ヤフー・ジャパンがそれらの「人」によって作られたサイトだから。

  ヤフー・ジャパンがトップになれた理由がよくわかった。



ヤフー・ジャパンはなぜトップを走り続けるのか
吉村 克己
ソフトバンククリエイティブ (2006/07/20)

■僕の感心
   ヤフー・ジャパンがやったことは、大多数の人がどうやったら、
  インターネットを使えるようになるかを真剣に考え、それを実現する
  ためのサービスを実践していったこと。

   この本を読むまでは、潤沢な資金に裏づけされ、成功したのかと
  思っていましたが、それは少し違いました。

   サービスを担当する社員が、みんな熱い思いで、そのサービスを
  どうしたらユーザのみなさんに使っていただけるかを妥協をしないで、
  考えに抜いている

   こうした取り組みには、ITサービスであるかどうかは関係なく、
  仕事のやり方としても、とても参考になる。

   ただ、こうした創業期の10年ひたすら走ってきたメンバーに加え、
  大きくなってからのヤフー・ジャパンに加わったメンバーには、
  あきらかな温度差がありそう。

   今後5年のヤフー・ジャパンの動向は要チェックです

 
 …★おまけ 「嫌われない哲学」

   ヤフー・ジャパンには「1%ルール」というのがあるそう。
   これは、誰も使っていないようなブラウザでも、シェアが1%以上
  あるうちは、サポートを打ち切らないというもの。

   この辺にも、ヤフー・ジャパンのすごさがある。
   ここまでできるというのは、正直ちょっと悔しいね。



■こんな人にお勧めです!

 ・10年のヤフー・ジャパンの歴史に興味のある人
 ・ヤフー・ジャパンをライバルだと思っている人
 ・常にお客様のことを考えて仕事をしたい人

2006年09月04日

ありがとうのカタチ − 井上 由季子 − vol.44

■一言で!
  「ありがとう」ってどんなカタチなんでしょうかね?
  
  この本は、グラフィックデザイナーの井上さんが、お菓子をもらった時の
 包み紙や食事に行った時のハウスカードなどを使って、作ったサンキュー・
 カードを紹介している。

  ワインの袋をちょっと切り取って、小さなワインの形にしたカードなんて、
 頑張れば僕にもできそう。(どんなカードかは、書籍の画像をみてね)

  こんな素敵なサンキュー・カードをもらったら、贈り物をした人も
 ほんとにうれしいだろうね



ありがとうのカタチ―Thank you card 170
井上 由季子
文化出版局 (2006/07)

■僕の感心
   デザインの仕事をしている井上さんだから、もちろんセンスは、
  ものすごくいいのは当たり前だけど、それよりも、ほんとに「ありがとう」
  という気持ちをこめて、サンキュー・カードを作ってるなぁというのが、
  よくわかります。

   この気持ちがあるから、素敵なカードになるんでしょうね。

   でもこの本を見ていると、包み紙やパッケージを切ったり張ったりする
  ことで、こんなに素敵なカードが作れるならと、センスのない僕でも
  ちょっとやってみたくなります。

   みんながいろんなカタチで、自分なりの「ありがとう」のカタチを
  表せるようになったら、楽しいね。

   井上さんのサイトは http://www.maane-moon.com/ です
 
 
 …★おまけ さて、やってみました。(^^;

   最初から、うまくいくはずはないので、まぁこんなもんでしょう。
   でもすごく楽しいですよ。 ちょっと病みつきになりそうです。

   いないとは思いますが、このカードが欲しい人は、
  book@b-up.net あてにご連絡ください。(笑)
   抽選で1名の方に差し上げます。



■こんな人にお勧めです!

 ・ありがとうのカタチを見たい人
 ・サンキュー・カードを作ってみたくなっちゃった人
 ・手先の器用さに自信のある人